強気な出費という言葉のおもしろさ

同じ会社のお堅いＳの人は、ストイックに仕事を頑張っているし、節約をして貯金に励んでいると本人から聞いていた。

なので自分はその人のことを、別で大きく稼ごうとは考えずに、ストイックな節約で金を確保したい人だと思っていた。無条件に人に奢ることは考えない人だと思っていた。

基本的にＳの人は気前が良く、人に無条件で奢ったり、物を買ってきてくれる人が多い。物を買わずともサービス精神は旺盛である。

だからＳの人には珍しくパターンから外れていると思っていた。だけど節約生活をしている筈なのに５人分のカラオケ代金を奢ったらしいという噂が聞こえてきたことがあった。

それはせこい自分では考えられないことだ。実は自分はケチのサラブレッドなので、節約生活で貯金を増やして、死に金を作るタイプの人間である。しかし最近マインドが変わって、少ない稼ぎを節約するより、稼ぎを大きくして、死に金人生を辞めようと考えている。

話をＳの人に戻すと、彼は今月から昇進による収入アップが見込めるらしい。それで今までは節約生活をしていたけど、これからは強気な出費をしていくと宣言したのである。

内容は女性には絶対金を出させないことと、節約生活を緩和して欲しいものを手に入れるらしい。実際は微々たる収入アップだと思うのだが、別に聞いてもいない自分に対して、強気な出費を約束してくるってことは、金を使うのを我慢してたのだろう。

昔は金が使えたから、車で好みが分かったりしたけど、最近は車を買うことすらなくなっているから、しっかり話を聞かないと車に興味があるのか、ないのかすら分からない。興味があっても経済的な理由で一番欲しい車種は買えないことが多く、個性を示せなくなっているのが残念だ。

そう考えると少しの収入アップで、金を使うようになるのは頼もしいことだと思っている。